2020中期経営計画(概要)
2020中期経営計画(概要)
「2020中期経営計画」の初年度であった2020年度は、「取り戻そう信頼と誇り」をスローガンに、企業風土改革として規範意識とコンプライアンス遵守を経営の根幹に据えながら、不適切行為の再発防止策を徹底してきました。しかし新型コロナウイルスの世界的な感染急拡大により、各国の都市封鎖や国内でも緊急事態宣言が発出されるなど、極端な逆風下でのスタートとなり、その対策が急務となった1年でもありました。
2021年度は、中期計画の遅れを取り戻し、高収益体質の確立をする1年とします。未だ新型コロナウイルスの感染拡大収束の目処が立たず、世界経済の先行きが不透明ではありますが、中期計画の完遂を目指し、一日も早く皆様の信頼を取り戻せるよう、グループ一丸となって取り組んでいきます。
2020年度の総括
2020年度の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、厳しい状況に置かれました。米国や中国をはじめとして、一部で経済活動に回復の兆しが見られたほか、ワクチン接種による新型コロナウイルス感染症の収束の期待も高まっていますが、変異株の出現による感染再拡大など、予断を許さない状況が未だ続いています。また、我が国経済においても、政府による景気刺激策により、一部の産業では輸出や生産が持ち直し、経済活動に動きが見られましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、依然として先行き不透明な状況が続いています。
このような環境のもと、当社製品の主要な需要先である自動車市場は、世界経済が失速し、お取引先様各連結会計年度に比べ需要が減少しました。また、建設機械市場も、他市場と同様、前連結会計年度に比べ需要が減少しました。
当社グループの売上高については、3,280億円と前連結会計年度に比べ535億円の減収となりました。
損益については、当連結会計年度において、免震・制振用オイルダンパーの製品保証引当金について取り崩しを行った影響等により、営業利益は183億円(前連結会計年度営業損失403億円)、税引前利益は163億円(前連結会計年度税引前損失414億円)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、171億円(前連結会計年度親会社の所有者に帰属する当期損失619億円)となりました。
2020年度連結決算実績(IFRS)
KYBを取り巻く環境
新型コロナウイルスの感染拡大は変異を重ねながら収束の目途は立たず、米国大統領交代による米中対立の動向、新興国経済の伸び鈍化に加え、世界的な半導体や樹脂の需給逼迫など、さらに不安定要素が増大しています。当社を取り巻く事業環境は、AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業はMaaS、CASEに代表される100年に一度といわれる変革期を迎え、その潮流に遅れることなく対応を迫られる一方、HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業は欧米、日本の成熟市場、中国、ASEANなどの新規・成長市場と発展段階に応じた戦略を求められています。航空機器事業では、新型コロナウイルスの世界的感染拡大により民需が激減する一方、特装車両事業では堅調な国内需要に支えられ順調に推移しています。システム製品では、免震・制振用オイルダンパーの適合化終結も近づきつつあり、お客様からの信頼回復を進めています。
2020中期経営計画基本方針
- 1. コンプライアンス遵守とガバナンス強化:
規範意識の浸透と企業風土の改革 - 2. 社会的要求対応:
ESG経営への進化 - 3. 人財育成:
健康経営の徹底、海外含むグループ人財育成、ダイバーシティ、間接部門生産性向上の取り組み - 4. 安全第一・品質経営:
重大災害・重点災害ゼロ、グループ品質監査体制の強化 - 5. 収益基盤の安定化:
不採算事業・拠点・製品の撤退、間接部門含む全社組織再編、総原価低減活動・革新的モノづくり - 6. 成長戦略:
新市場・新商品戦略の強化