Project Story

プロフェッショナル達のストーリー 新しいハイブリッド製品を、同じ志を持った仲間たちと。 ハイドロリックコンポーネンツ事業本部 製品企画開発部 第一開発室 杉本 潤一郎
新しいハイブリッド製品を、同じ志を持った仲間たちと。

EHESS(電動油圧省エネシステム)は、油圧機器メーカーならではの発想で新しいハイブリッド製品を生み出せないだろうか、というコンセプトのもと動き出したプロジェクトです。油圧や電気・電子など様々な部署から集められた仲間たちと、毎日、夜遅くまで開発に明け暮れました。 この構想が出た時期は、ちょうどプリウスが2世代目を発売し、世間からの注目を集め始めた時でした。建機メーカーも当然ながらハイブリッドの商品を世に送り出そうと動き出しました。開発当初のアイデアはなかなか受け入れてもらえませんでした。省エネ関連の製品は、世の中に普及していかなければ何の意味もない、だからこそ自分たちでいいものを作りたかったのです。ただ、タイミングを逸してしまえば売れなくなってしまう。省エネが注目される時だったので会社からの期待も大きく、プロジェクトを停滞や遅延させてはならないというプレッシャーも大きかったです。

写真:杉本潤一郎さん
行く手に立ちはだかる困難や難題になりふり構わず、立ち向かう。

私自身は、すでに動き出していたプロジェクトで制作されていたプロトタイプで発生していた問題に対し、上司から解決してくれないかと声をかけていただいたのがプロジェクトに参画したきっかけです。 その問題は「歯車からの音」に関するものでした。自分自身は特に音に関する分野が得意なわけでもなく、初めは何から手を付けてよいのか悪戦苦闘したことを覚えています。なかなか目標値をクリアできず試行錯誤の連続で、音に関する問題の奥深さと難しさを痛感しましたね。自分たちの知識や経験だけでは解決できない部分に関しては、文献やギヤメーカーの方々や分科会に参加して色々な方々からアドバイスをもらうなど問題解決のために、なりふり構わず、奔走したことを覚えています。当初の目標値を越えるまでに、1年半もかかってしまいましたね。その後も更なる高みを求め、また試行錯誤しながら精度を高めていきました。

プロジェクトに終わりはない。理想を、常に追い求めていく。

製品化に向けてめどがついたという点では、プロジェクトにひとつ区切りがついたかもしれません。しかし、このプロジェクトは達成の過程にすぎず、もっといろいろな方々が使っていただけるような製品にならないと意味がないので、価格を極限まで追求し、更なる製品の進化が必要となります。 既に次の製品化に向けた活動も始まっています。 失敗を恐れず、貪欲なまでに理想を常に追い求めていく。これが、カヤバの良いところなのかもしれませんね。エンジニアは、これまでにない新しい物を創造することが求められます。人から聞いた事や文献からの知識だけで、新しいアイデアの創造や問題を解決することはできず、自分自身で経験してきたことの積み重ねが必要かつ重要となります。だからこそ、何事においても失敗を恐れずに勇気を持ってチャレンジしていきたいと思います。

EHESSの特徴についての説明を簡単にお願いします。

油圧パワーショベルが動作中に、ブレーキ作用で発生する高圧の油を有効利用し、エンジンの負荷を下げることができるシステムです。これにより燃料消費量を低減し、CO2削減を図ることができます。また、従来の油圧システムが持つ機能を保持したまま搭載が可能で、万が一システムがダウンしても、ショベルの基本動作には影響を及ぼさず、作業を継続可能なフレキシブルなシステムです。

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